障害年金の裁定請求書の提出先は、初診日に加入していた制度に応じて次の通りです。
被保険者名 (呼称) |
年金請求書提出先 | |
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国民年金 | 国民年金被保険者 | 市区町村役場 |
住所地を管轄する年金事務所 |
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厚生年金保険 | 一般厚年被保険者 | 原則として最後に勤めた事業所(在職中に受けるときは現在勤めている事業所)を管轄する年金事務所 |
国共済厚年被保険者 地共済厚年被保険者 私学共済厚年被保険者 |
初診日に加入していた共済組合等 |
裁定請求 | 1. 障害認定日における 請求 (本来請求) |
2. 障害認定日における 請求 (遡及請求) |
3. 事後重症による請求 |
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説明 | 障害認定日から1年以内に請求する | 障害認定日から1年以上たってから請求する | 障害認定日に障害等級に不該当だったが、それ以降65歳までに障害に該当した時に請求する |
いつの時点の診断書がいるか | 障害認定日(またはそれ以降3ヶ月以内)の診断書が必要 | 障害認定日(またはそれ以降3ヶ月以内)の診断書と請求時(またはそれ以前3ヶ月以内)の診断書 合計2枚の診断書が必要 | 請求時(または、それ以前3ヶ月以内)の診断書が必要 請求も65歳に達する日の前々日までに行うこと |
年金の支給開始 | 障害認定月の翌月 | 障害認定月の翌月 | 請求月の翌月 |
障害年金の請求については、障害認定日請求と事後重症の二つですが、ここでは、わかりやすいように障害認定日における裁定請求を、二つに分けて説明しています。
「1.本来請求」とは、障害認定日から1年以内に請求するケース。
「2.遡及請求」とは、障害認定日から1年以上たってから請求するケースです。
「障害認定日請求(本来請求)」とは、初診日から1年6ヶ月経過した日である障害認定日時点(正確にはそれ以降3ヶ月以内)の診断書をとって請求をすることをいいます。(この障害認定日には、特例があり、ペースメーカー装着や、人工関節の置換などの場合は、1年6ヶ月を経過するまでに装着している場合は、装着時点で障害認定日になります。)本来請求の場合、受給権は障害認定日時点で発生し、翌月から障害年金が支給されます。
「障害認定日請求(遡及請求)」は、本来請求の支給要件に該当していた場合であって、何らかの理由でそのときに請求していなかった方が、障害認定日から1年以上たってから請求することをいいます。障害認定日時点の障害の程度がわかる診断書などにより、障害認定日時点で障害等級に該当していることが明らかな場合は、障害認定日において受給権が発生します。ただし、支払は、時効の関係で5年前までの分となります。
「事後重症の請求」は、障害認定日に障害等級に不該当だったが、その後悪化し、65歳に達する日の前々日までに障害に該当したため障害年金の請求する場合をいいます。この場合、受給権は、障害年金の裁定請求書を提出した日に発生しますので、請求が遅れれば、その分の年金は受給できません。請求したときに年金の権利が発生するので「請求年金」とも言われています。
このように、障害認定日(初診日から1年6ヶ月経過した日)に、障害等級に該当していなければ、その後悪化して、ある時期に障害等級に該当する程度であったとしても、年金を請求しない限り受給権が発生しませんので、過去に遡及して年金の支払は行われません。つまり、事後重症の請求の場合は、1ヶ月でも年金請求が遅れればその分の年金は受給できないのです。
また、請求期限があります。事後重症の請求は65歳に達する日の前々日までに行うことになっています。
障害年金を請求するときには裁定請求書の他に、「障害の状態に関する医師または歯科医師の診断書」「病歴・就労状況等申立書」を添付します。
結局のところ、障害年金の認定は、ペーパー上の認定なので、障害年金に該当するかどうかは、診断書の内容にかかっているといっても過言ではないでしょう。また「病歴・就労状況等申立書」の記載内容も重要です。
最初の裁定請求のときの失敗は、審査請求でカバーできるとは限りません。審査請求は、あくまでも提出された診断書と申立書をベースに再度、裁定結果が妥当だったかどうかを審査するということです。
もし、提出した「診断書」が実際の障害の程度をしっかりと反映できていなかったことが不支給の原因だとすれば、「診断書」の方が事実と矛盾していたということであって、日本年金機構の裁定自体に誤りがあったわけではないのです。その場合は、審査請求をしても原処分を覆すのは難しい可能性があります。
障害の種類によって7種類に分かれています。
様式番号 | 診断書 |
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様式120号の1 | 眼の障害用 |
様式120号の2 | 聴覚、鼻腔機能、平衡機能、そしゃく、嚥下機能、言語機能の障害用 |
様式120号の3 | 肢体の障害用 |
様式120号の4 | 精神の障害用 |
様式120号の5 | 呼吸器疾患の障害用 |
様式120号の6-(1) | 循環器疾患の障害用 |
様式120号の6-(2) | 腎疾患、肝疾患、糖尿病の障害用 |
様式120号の7 | 血液、造血器、その他の障害用 |
※様式120号の4 精神の障害用の診断書は、精神保健指定医又は精神科を標榜する医師に記入していただくこととなっていますが、てんかん、知的障害、発達障害、認知症、高次脳機能障害など診療科が多岐に分かれている疾患について、小児科、脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科、老年科などを専門とする医師が主治医となっている場合、これらの科の医師であっても、精神・神経障害の診断又は治療に従事している医師であれば、診断書を記入していただくことができることとされています。
障害年金の請求手続は以下の流れになりますので、クリックしてください。
【よくある質問】 Q. 年金が認定され振込まれるまでにおおよそどれぐらいの期間がかかるのでしょうか? |
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A. 年金証書が届いてから、初回の年金が振込まれるまでの期間は、平均で約50日程度です。(日本年金機構から「国民年金・厚生年金保険 初回支払額のお知らせ」が届きますのでそれにて、振込み額と内訳を確認することができます。) |
障害年金は初診日がなければ(医者にかかっていないと)請求できません。
初診日があっても、原則として初診日の証明(受診状況等証明書)がとれないと請求できません。(但し、知的障害の場合は初診証明はいりません。)
原則として、初診時の医証がないものは、傷病の性質や被保険者期間を総合的に勘案して初診日(発病日)が被保険者期間内であると判断できない場合は、裁定請求書は本人に返戻されることになります。
初診時の医証がとれないときは、「受診状況等証明書が添付できない理由書」を提出します。次のような証拠書類は初診の証明として採用されることがありますので、客観的に初診の証明となるようなものを集めて請求を受理してもらうようにしましょう。
(1)身体障害者手帳交付時の診断書
(2)事業所の健康診断の記録
(3)入院記録、診療受付簿
(4)労災の事故証明
(5)交通事故証明書
(6)健康保険の給付記録
(7)発行日や診療科等が確認できる診察券
(8)発行日(受診日)や診療科等が確認できるお薬手帳、糖尿病手帳、領収書
(9)さかのぼれる一番古いカルテに基づく医師の証明
(10)初診日について第三者(隣人、友人、民生委員など)が証明する書類があり、他にも参考資料が提出されたとき
(11)初診日が一定期間内にあることを示す参考資料が提出され、保険料納付要件などの一定の条件を満たしている場合
受給権発生が昭和61年4月1日前か以後かにより区分されています。旧法が適用されるケースは、障害認定日が昭和61年4月1日前で、尚且つ、障害認定日に受給権が発生する場合です。その場合、法律だけではなく障害認定基準も旧基準で認定が行われます。
また、厚生年金制度の場合は、昭和61年4月1日以後に受給権が発生する新法適用者であっても、発病が昭和61年4月1日前の場合は、被保険者期間中に発病していることが必要です。(発病主義、旧厚生年金保険法)
※初診日が昭和61年4月1日以後の場合は、初診日において被保険者であることとなっています。
※国民年金制度は、旧法であっても初診日において被保険者であることとなっています。
(国民年金は初診日主義)
平成27年10月1日より、民間被用者、公務員、私学教職員を通じて1・2階の同一保険料・同一給付を実現する被用者年金一元化法が施行されています。
これにより、初診日において共済組合の組合員であった方も、初診日において保険料納付要件を満たしており、障害の状態が国民年金法施行令、厚生年金保険法施行令別表第1及び厚生年金保険法施行令別表第2に定める程度であるときは、障害厚生年金や障害手当金(障害等級が1・2級に該当する時は障害基礎年金も併給される)が支給されます。
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